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Thursday, January 12, 2012

母乳汚染は人間の存続自体への脅威を示唆する

福島県と国が母乳の放射性物質検査をするという(下記報道参照)。

しないよりはした方がいいのだろうが、決定的な考慮が抜け落ちている感がある。母乳を粉ミルクや他の食品と同じ「基準」を課す食べ物のように見なしているが、母乳を生みだすのは生きた人体であり母乳汚染イコール母親自身の人体の被ばくを意味するという観点が抜け落ちていないか。

母乳が汚染されるということは母親が相当の内部被ばくをしているということである。母親が内部被ばくをするということは母親の摂取する食品や飲料が汚染されているということであり、それが一番の問題なのである。

母乳汚染が見つかったときに、単に母乳育児を制限させるような対処をするか、もしくは「基準値」以下だからと「安心」させるような企てなのかと思うが、本当は、母乳育児をする母親に内部被ばくをさせるような緩い食品基準を許しているということに対する危機感と責任感で対処するべき問題なのである。

また、母乳が汚染されているということは、その母体の血液から胎盤を通じてずっと栄養をもらい9カ月育つ胎児はその間ずっと被ばくさせられてきた可能性がある。特にこれから生まれる子たちは受精時点から被ばくしてきた可能性がある。その恐ろしさに気づいている人はどれだけいるのだろうか。

胎内にいるときは胎盤から、胎外に出たら母乳から、いずれも元は母親の血液から作られるものであり、妊娠出産育児という大きなシステムの中で母乳だけ切り離して検査し、汚染されていればやめればいいというような単純なものではないのである。人間の生殖機能自体、すなわち人間の存続自体が脅威にさらされているのである。

母乳が汚染されているしこれからもされることは間違いないのだから、5億6000万円もかけて大規模な調査をする資源があったら、今すぐにでも現在妊娠中、授乳中の母親、これから妊娠する可能性のある女性たちが徹底的に食品、飲料を管理して、内部被ばくを最小限に抑えるための方策が取れないのか。1万人規模での調査などと聞くと、単にデータを取るための調査なのではないか、との疑いが募る。@PeacePhilosophy


参考報道


毎日新聞
福島原発事故:1万人の母乳を検査 政府と県が実施へ
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20120113k0000m040067000c.html

 政府と福島県は来年度、同県の新生児の母親のうち希望者を対象に、母乳の放射性物質の検査を実施することを決めた。福島第1原発事故の影響が母乳を通じて子供に及ぶことを懸念する母親の不安解消を目指す。環境省の外局として4月に発足する予定の原子力安全庁(仮称)の12年度予算案に、事業費5億6000万円を計上し、県の県民健康管理基金に組み込んで活用する。

 同県内の新生児は年約1万8000人で、一時的にでも母乳を与える母親は約1万人程度とみられる。母親が自ら採取した母乳を検査機関に送って調べる方法などが検討されており、1人約5万円の費用は全額補助する方針。

 福島県は、不安をあおることがないよう、医療関係者や市町村の意見を聞きながら、慎重に実施方法を検討している。また、県外避難して出産・育児しているケースの調査・補助方式についても検討する。

 母乳の放射性物質を巡っては、厚生労働省の研究班が昨年5~6月に福島、宮城、茨城、千葉など8県の母親108人を調査。このうち福島県の母親21人中7人から放射性セシウムを検出したが、最大で1キロ当たり13.1ベクレルで「健康への影響はない」とした。母乳には暫定規制値は定められていないが、4月から実施される予定の新基準値は、牛乳について「子供の摂取量が多い」として一般食品より厳しい同50ベクレルとしている。【乾達、藤野基文】

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