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Tuesday, December 05, 2006

(Japanese) My Letter to Citizen's Representatives Regarding the Fundamental Law of Education

(現在審議中の教育基本法案について、参議院教育基本法特別委員会の議員の方たちにファクス・メールで送っている手紙です。) This is a letter that I have sent to the House of Councillors' Special Committee on the Foudamental Law of Education.

私はカナダ・バンクーバーに住む日本国籍と日本の選挙権を持つ市民です。日本国籍とカナダ国籍を両方持つ子どもを二人育てながら、成人教育に従事しています。

まずはじめに、日本の国会議員として私たち市民のためにお仕事をしていただいていることを心から感謝致します。

現在審議されている教育基本法案は、生涯教育や家庭教育、幼児教育の重要性等、素晴らしいところがたくさんあると思います。この法案は、これからの日本の教育のことを真剣に考え作られたものであるということを真摯な気持ちで尊重したく思います。

この教育基本法案について有権者として、また国際社会で教育を受けている子どもを持つ母親として、多文化社会で教育に従事する人間として、二つお願いしたいことがあります。

一つは、手続きについてです。このように重要な法案はもっと時間をかけて市民全体の意見が本当に反映されるような方法で審議していただきたいということです。今国会中の成立を目指すという目的ではなく、教育の法律は、教育のために、子どもたちのために決めてください。タウンミーティングがうまく機能しなかった現実を踏まえ、政府の信頼を回復できるような方法で市民の声を汲み取り、それを反映するような手続きを踏んでください。もしくは、来年の参議院選挙でもって有権者に問うという形を取ってください。

二つ目は、内容についです。多様性をもっと認める内容にしていただきたいと思います。日本で教育を受ける人たちは日本国籍を持つ人だけではありませんし、日本国籍を持つ人の中にもさまざまな文化的背景や価値観を持つ人がいます。たとえば私の子どもたちが日本に帰国して教育を受ける場合、日本人の親を持つがカナダという郷土を持つ人間として学ぶわけです。日本で教育を受ける全ての国籍や文化的背景の子どもたちが均等な教育機会を受けるために、第四条に、「国籍」「文化的背景」という条件も加えてください。

また、法案には、個々人によって意味合いが異なると思われる言葉がたくさん出てきます。「伝統」「文化」「我が国」「郷土」「愛」「道徳心」「宗教に関する一般的な教養」等です。これらは全て教育において大事な要素と信じますが、「多様性の尊重」の保証と組み合わせてこそ生きてくるものと信じます。新潟県の伝統も、那覇市の文化も、東京や大阪といった多様都市の文化も、モスクワ市やバンクーバー市の文化も、日本以外の国出身の方々の元々の文化や伝統も尊重される必要があります。一人の人が複数の「我が国」や「郷土」を持つ可能性もあるし、愛情や尊重の対象となるのは国だけではなく、国という単位より小さな町や村であったり、国という単位より大きなアジアといった地域、世界、地球だったりもするのです。そういった多様性の保証を、法案前文と第二条(教育の目標)の中に明記してください。その上でしたら、私は新法案を支持します。

教育についての考え方もこれは多様なものであり、まとめていく作業は大変苦労をともなう過程だと思います。市民の代表としてこの作業をなさっている国会議員の方に改めて感謝の意を表したいと思います。

2006年12月5日
乗松聡子

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